国土交通委員会 公営住宅2法200506

  


公営住宅の追い出しやめよ

仁比議員が政府の姿勢ただす


 6月16日、参院国土交通委員会で、仁比聡平議員が「住宅行政の大転換と公営住宅政策」について質問しました。以下、質問全文です。

 
第162回国会 参議院議員国土交通委員会
第23号 平成17年6月16日  仁比聡平参議院議員
○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。
   〔理事佐藤雄平君退席、委員長着席〕
 十四日の本委員会の参考人質疑で、全国公団住宅自治会協議会代表幹事の多和田栄治参考人は、一九九六年にトルコで行われたハビタットU、国連人間居住会議の立場を住宅行政の基本に据える必要があると述べられました。
 そこで、大臣に御認識をお伺いをしたいと思うんですけれども、その人間居住に関するイスタンブール宣言ではこのように述べています。すべての人に適切な居住を確保し、人間居住を一層安全で健康的で居住に適し、公平で持続可能で、かつ生産的なものとするという普遍的な目標を支持すると。住宅行政の責任者である大臣がこの立場を堅持をされるということが私は当然であると考えますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(北側一雄君) 今も申し上げましたが、住宅というのは私どもの人間の生活、健康にとって基盤となるものがまさしく住宅でございます。日本の憲法二十五条にも、すべての国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有するというふうに規定しているところでございまして、その思想と全く同様の思想、哲学ではないのかと思っております。
 今後とも、健康で文化的な生活を営むに足りる住宅の供給、住宅の質の向上に今後とも努力をしてまいりたいというふうに思っております。
○仁比聡平君 大臣御自身の言葉から憲法二十五条を述べていただいたことは、私も大変大事な問題だと思います。住宅にかかわる皆さんが住まいは福祉という言葉を使われます。この住まいは福祉という立場が日本の住宅政策の基本にしっかりと貫かれなければならないと私は思っています。これまで国交省は、住宅建設五か年計画などで計画的な公営住宅などの建設を進めるとされてきました。
 そこで、まず住宅局長に公営住宅の整備について三点お伺いをしたいと思います。
 一つは、平成十三年、〇一年から今年度、〇五年までの第八期五か年計画で公営住宅、公団・公社住宅など公的賃貸住宅に入居してもらうべき対象となる世帯数を何万世帯と推計をされたか。
 二つ目は、そのうち公営住宅の新規建設により供給すべき戸数を何万戸と計画をしたか。
 三つ目は、今年度で計画期間は満了するわけですけれども、その計画に照らした進捗率、この三点をお伺いします。
○政府参考人(山本繁太郎君) 現行の第八期住宅建設五か年計画を作成した際に、公営住宅等の公的賃貸住宅の施策対象となり得る世帯数について推計を行いました。この推計におきましては、民間の借家に居住しておられる方々で借家の家賃水準を前提に、自力では適切な居住水準を確保することが困難な世帯数を推計しました。適切な居住水準というのは五か年計画で定めております最低居住水準です。各世帯規模ごとに定めております床面積、それを自力では確保することができないという世帯数を全体で百七十六万世帯、この期間中にあると推計しました。
 このうち、百万世帯は過去の経験に照らしまして、五か年の間に公的賃貸住宅、現実にあるストックに生じる空き家に入居可能であるとして控除しました上で、残りの七十六万世帯を施策対象として計画を策定したものでございます。
 それから二番目の、そのうち公営住宅の新規供給により対応する世帯はどのぐらいと推計したのか、計画したのかということでございますが、七十六万世帯の推計を踏まえまして、第八期住宅建設五か年計画では公的賃貸住宅の新規、建て替え、増改築合わせた戸数を閣議決定で定めておりまして、新規、建て替え、増改築の合計で九十五万戸と定めております。そのうち増改築を除いた数字も計算できる形になっておりまして、新築の、新規の公営住宅と建て替えとを合わせて七十七万三千戸を計画しております。このうち、この九十五万戸と七十七万三千戸のうち、公営住宅につきましては、まず新規、建て替え、増改築を合わせたものは二十六万二千戸、新築と建て替えで十七万九千戸と計画しております。
 これまでの実績見込みが出ております十三年度から十五年度までの三年間の公営住宅の供給実績でございますけれども、合計で、この二十六万二千戸という計画ベースですね、新規、建て替え、増築合わせたものに相当するものが十二万戸となっておりまして、三年間で進捗率は四六%。増改築を除いた新築と建て替えで七万六千戸でございます。これは進捗率で四二%となっております。
○仁比聡平君 詳しく述べていただきましたけれども、結局、その八期計画で新規の公営住宅の必要量としてほぼ十七万九千戸を計画をされたわけです。ですが、三年間での実績は七万六千戸なんですね。仮にこれを三分の五倍をしたとしても十二万六千戸にしかなりませんから、結局、五万三千戸も足らない、計画が達成されないという状況なんですね。にもかかわらず、ストックは充足をしたと、既存の二百十九万戸で足りるというその前提に立って政策転換を図るというところに私は大きな問題があるんじゃないかと思うんですね。
 もう一点、数字をお伺いしたいと思うんですが、時間がありませんので端的にお願いしたいと思いますが、公営住宅法が九六年に改正をされました。ここでいわゆる明渡し努力義務が課せられた収入超過者、明渡し義務がある高額所得者の区別があります。このうち高額所得者を含まない収入超過者について、平成九年と平成十五年の、これ、それぞれ実数だけで結構ですので、お答えください。
○政府参考人(山本繁太郎君) 平成九年度の収入超過者の実数は五十一万三百三十戸でございます。平成十五年度の収入超過者の実数は十八万六千八十九戸でございます。
○仁比聡平君 差引き、これほぼ三十二万戸になるんですね、三十二万世帯。この九六年の改正によって平成九年以降にほぼ三十二万世帯以上が明渡しを受けていると、明渡しをしているということになるわけです。結局、こうやって見ますと、これまでの国交省の議論というのが、公営住宅の新規建設をどう進めるかということよりも収入超過者をどう追い出すかという、こういう議論が熱心にやられてきたんじゃないかと思うんですよ。
 平成十四年の十月十六日に、大臣の諮問機関であります社会資本整備審議会、ここの住宅宅地分科会企画部会というのが行われていまして、大臣、よく聞いていただきたいと思うんですけれども、ここで、この九六年の公営住宅法改定と平成十年以降の収入超過者の推移について国土交通省がこのような報告をしています。
 「高額所得者ないしは収入超過者もきちんと追い出すという仕組みが十分でなかったものですから、二年の経過措置できちんと追い出すという体制を組んだ結果、収入超過者も減りましたし、高額所得者も大きく減っているという状況にございます。なお、収入超過者ないしは高額所得者につきましては、割増賃料を取ったり、追い出し措置を起こすような仕組みで対応しているところでございます。」と。
 私、これ驚くべき内容だと思うんですね。居住者が傍聴しているとか我々野党がいるとかという場ではない審議会、そういうところで語っている。これが皆さんの本音なんじゃないんですか。
 元々、公営住宅で暮らしてこられた方々です、この収入超過者という皆さんも。それが収入分位が三三%から二五%に政府によって引き下げられた結果、御自身の収入は変わらなくても言わば収入超過者だとしてつくり出されてきている。そしてこれに、この方々の追い出しを進めた結果、いろんな方があるでしょうけれども、三十二万世帯を超える皆さんが公営住宅を出ていかなきゃいけなくなったんじゃないんでしょうか。
 もう一つ、この同じ審議会の部会でこういう報告のくだりがあります。「ずっと公営住宅の中に住み続けることによって、適当に働いてと言うと語弊があるかもしれませんけれども、自助努力をされない方々といいますか、」「本来社会に出て働けるかもしれない人が公営住宅という家賃の安いストックに入ることによって働かないという状況があるのではないか」と。
 これ、国交省からの報告のくだりなんですよね。これは公営住宅の居住者の方々を家賃が安いので働かない怠け者だという、扱う認識なんではないんですかね。
 大臣、今の私が紹介したくだりを聞かれて、まさか同じ認識ではなかろうと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(北側一雄君) ちょっと私も今初めて聞きましたからね。ただ、それがすべてだと言っているわけじゃないと思いますよ。そういう人も中にはいるという発言じゃないでしょうかね。そういうふうに私は聞きます。
 確かに、公営住宅の整備が計画どおりに進んでいないという御指摘はそのとおりでございます。これは、結局は財政の話になってくるわけですね。国も、そして地方も財政状況が非常に厳しい中にあると。そういう中にあって、公営住宅の整備が計画どおりに進んでいない、進んでこなかったということは事実でございますし、当初のこの計画の実現というのはこれは困難だというふうに私も認識をしているところでございます。
 いずれにしましても、今後の公営住宅政策においては既存の公営住宅ストックをやはり最大限に有効活用するということが重要だというふうに認識をしておりまして、その改善、そして建て替えに努めること、それと、やはり公営住宅でございますので、これはやはり公営住宅に入っていない方々との公平性、本当は公営住宅に入りたい、またその要件、条件もあるんだけれども入れない方々もたくさんいらっしゃるわけでございまして、公平性というのはやはりこれは大切にしなきゃいけないというふうに思うわけでございまして、やはり公営住宅を住宅に困窮する者に的確に供給するということがやはり大事であるというふうに考えておるところでございます。
 そういう意味で、制度面の見直しについても検討しなければならないと思っておりますし、また公営住宅だけではなくて、他の公的賃貸住宅や、先ほども話が出ておりましたが、民間住宅ストックがあるわけでございまして、そうしたものをしっかり活用して必要な住宅セーフティーネットを確保していくことが重要であると考えておるところでございます。
 いずれにしましても、今回の法案で地域住宅協議会というものが設定をされるわけでございますが、その地域住宅協議会等を活用して関係者の方々が連携を取って、公的賃貸住宅、また民間賃貸住宅のストックの活用等、様々な工夫が可能となるような措置をこの法案では講じているところでございまして、今後とも、厳しい財政制約下でございますが、地域において必要な住宅セーフティーネットの機能の充実に努めてまいりたいと考えております。
○仁比聡平君 今その住宅に困窮をする方々が増えて、例えば公営住宅でいっても応募率が大変高いという状況にあるからこそ、そのストックをとおっしゃるその公営住宅の整備そのものをしっかり新規に進めていく必要があるということを政府がしっかり踏まえていただきたいと思うんですね。
 さらに、もう一つ大臣の認識をお伺いをしたいと思うんですが、これは六月四日の神奈川新聞なんですけれども、ここに公営住宅入居の基準収入額を引き下げるということを国土交通省が方針として固めたと報じられています。今のつまり収入分位二五%というのをまだ下げるんだと。〇六年度に政令を改正する方針だとまでこの新聞書いているわけですけれども。
 これは仮に二五%の分位を二〇%に引き下げるとどのぐらいの対象者があるんだろうかと、私ちょっと数字いただいて計算をしてみました。そうすると、今の二百四万世帯ぐらいの入居者のうち三・一%が十七万八千円を超え二十万円以下の世帯です。つまり、この世帯というのは六万三千四百七十世帯あるんですけれども、もし収入分位が下げられたら、ここが新たに収入超過者だとして追い出しの対象になるんじゃないんでしょうか。そういうことをしたら、今の深刻な不況の中で、所得も困難になる中で、市営住宅、公営住宅追い出されて、もうどこにも暮らすところがない、そういう方々をつくってしまうことになるんじゃないでしょうか。こういうことは断じてやめていただきたいと思います。大臣の認識聞いて質問を終わります。
○国務大臣(北側一雄君) 決めたということはございません。そういう報道の事実はございません。
 今まさしく社会資本整備審議会で、新たな住宅政策に対応した制度的枠組みについて御審議をいただいている真っ最中でございます。その中で、公営住宅の入居者資格や家賃制度の在り方を始め、公的賃貸住宅を中心とするセーフティーネットの在り方について御検討をいただいておるところでございまして、今後、基本法制の在り方と併せて、各方面の意見を承りながら検討を進めてまいりたいと思っております。
○仁比聡平君 終わります。

公営住宅の役割を問う

仁比議員が「公営住宅2法案」で参考人質疑


 6月14日、参院国土交通委員会で、仁比 聡平議員が「公営住宅2法案」参考人質疑をしました。以下、質問全文です。
  
第162回国会 参議院議員国土交通委員会
第22号 平成17年6月14日 仁比聡平参議院議員
○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。今日は、三人の参考人の皆さん、本当にありがとうございました。
 私、今後の住宅政策を考えていく上で、現実に住まいに暮らしている方々、あるいは住まいを求めていらっしゃる方々の実情を踏まえた住宅政策の論議というものが非常に大事なのではないかと思っております。
 今日、多和田参考人から、特にその中で公団住宅あるいは公営住宅の実態の一端が御紹介をされまして、本当に有り難いことだと思っておりますけれども、まず多和田参考人のお話の中で、先ほど市場家賃化と、もう一方で老年者控除の廃止の問題が少し触れられました。簡単に、老年者控除の廃止によってどんな影響が及んでいるのか、簡単に御紹介をいただければと思います。
   〔委員長退席、理事佐藤雄平君着席〕
○参考人(多和田栄治君=全国公団住宅自治会協議会代表幹事) 公団居住者は低所得者が多いので所得税を払っていないというふうなことは大いにあります。したがって、高齢者控除がなくなっても支払う税金に関係があるという問題じゃなしに、公団家賃の福祉的な措置について、その基準になるのはいつも公営住宅法、その中で家賃の算定が、例えば年間五十万円の控除がなくなることによって年収が五十万円上がると。そうすると、やっとこの特別措置が受けられるかなと思っていたら受けられなくなってしまうというふうな現状が具体的に、これは来年から起こってくるんではないかということがあります。
 そのほか、家賃の計算については、いろんな福祉、いろんな控除が削られていくことによって家賃の名目が、いや、収入の名目が事実上増えるということがまた公的な家賃計算においては引上げの要因になるということは容易に想像できると思います。
○仁比聡平君 先ほど多和田参考人の御自身の実情でも家賃の負担率が現在でも三四%ということで、今お話しのような今後の負担増の中で、現実に暮らしていらっしゃる方々あるいは層の負担が大変重くなっていく方向が懸念をされるわけです。
 その中で、浅見参考人、それから川崎参考人にお尋ねをしたいと思うんですけれども、市場家賃やあるいは今のお話の負担増などについて居住が困難になるということがあり得て、前回の委員会の質疑の中で住宅局からは、公団もそうだけれども、公営住宅も含めた居住の在り方を考えなければならないという趣旨の答弁があったわけです。ですが、その公営住宅の現実を見ますと、先ほど多和田参考人からもございましたけれども、供給実績が計画戸数に及ばなくて、全国で競争倍率が十倍、東京では三十倍という実情にあると。あるいは、国土交通省の推計でも、新たに公営住宅を必要とする世帯は百七十六万世帯に上るとも言われております。
 今後の住宅政策の中での公共住宅の役割、これを考える上で、私、この実情というのは大変重要な問題ではないかと考えているんですけれども、浅見参考人から順番に御見解をお伺いしたいと思います。
○参考人(浅見泰司君=東京大学空間情報科学研究センター教授) 現在、公的な賃貸住宅というのは公営住宅、機構住宅、それ以外の住宅もございますけれども、いろいろあるわけです。
 確かに、御質問にもございましたように、なかなか、公営住宅と機構住宅の家賃の在り方というのは全く違う体系でございますから全く違うわけですけれども、一方で、境遇がほとんど同じにもかかわらず扱いが大分違う、入口が違うことによって違うというのはいかがなものかという議論もございます。ですから、今後、公的な賃貸住宅についてはかなり一体的に考えていく。場合によっては、機構住宅の一部は福祉的な対応、公営住宅の一部は若干福祉的でないような対応というようなこともあり得るんではないかというふうに思います。
 それから、かなり高倍率であるということをおっしゃいました。私も東京都とか幾つかのところでデータを拝見しました。かなり高倍率のところもございます。一方で、非常に低倍率、一倍を切っているようなところもございます。
 これは、一つには、やはり本当に困窮している方に少し絞るというような工夫をもう少しするというのが一つあるのかなと。それからもう一つは、特に高倍率のところというのは、都心で極めて利便性のいいところなわけですけれども、そういった利便性みたいなものに関することをもうちょっと加味して家賃体系に反映していくという必要もあるのかなというふうな感じがいたします。
○参考人(川崎直宏君=株式会社市浦ハウジング&プランニング常務取締役) そうですね、今御指摘ありました公的住宅、特に公営住宅が高倍率になるという御指摘についてですが、これは多分、今、浅見先生からお話ありましたように、地域ごとに随分状況が違うというふうに思います。かつ、今収入基準というのが二五%で公営住宅入居対象層として決められていますが、実は、これも私が述べている中にもございますが、市場の家賃というのは地域によって随分違いますから、当然それも地域ごとに違うというふうに考えるべきだというふうに思っています。したがって、真に困窮する世帯が何かということをもう少し吟味する中で考えなければいけないという点だと思います。
 かといいましても、現在の経済状況の中で公営住宅入居希望層が増えているという事実も確かにあるように思います。その場合に、当然、公共住宅というのは多大な公共投資を行うものですから、その見合いでどう考えていくかということになるんだろうと思いますが、一方で、じゃ、これは公共住宅だけで担うべきものかということも議論をしていく必要があるというふうに思います。
 我々、実は民間市場をもう少し調べるべきではないかというふうに思っています。実は、民間賃貸住宅の市場を的確に示すデータ関係、状況を把握するということが現状ではなかなか難しい状況にあります。我々、仕事の中でも多少それにチャレンジしておりますが、民間賃貸住宅がすべて家賃が高いかというと、必ずしもそうでもなくて、実は公営並みの家賃で供給されている部分も幾ばくかはあります。
 ですから、逆に言うと、そうしたものをうまく情報を流通する、あるいはそれをあっせんするとか、そういうことも含めて民間を活用する様々な手だてをこれから考えていく。それによって、まだ百七十六万世帯というふうに言われました、その世帯に対して、幾ばくかは対応できる部分があり、それも含めてトータルに政策展開を考えていくべきだというふうに考えております。
○仁比聡平君 私、実際に公営住宅に応募をされて、十回応募したけれども当たらない、二十回しても当たらないんじゃないだろうかという不安を持っていらっしゃる方々のお話などをこれまでよく聞いてきたんですけれども、そういう方々は、実際には民間で何とか自分の収入の範囲内で暮らせるところがないか、やっぱり本当に必死で探していらっしゃるのが現実で、なかなか難しい問題だなというふうに思っているんです。
 そこで、多和田参考人にお伺いをしたいと思うんですけれども、先ほど公営住宅法の一条の趣旨も含めて、セーフティーネットということをよく考えなきゃいけないというお話がありました。この住宅の足りないという状況ですね、公的な、公共住宅が足りないという状況について、浅見参考人あるいは川崎参考人の御意見も聞かれた上で、今後のことについて多和田参考人、御意見あれば伺いたいと思いますが。
○参考人(多和田栄治君) 先ほど冒頭に住宅基本法の問題が出ておりました。一体、公営住宅であろうと民間借家であろうとあるいは持家であろうと、国民の住まいあるいはまちづくりがどうあるべきかと、国民の権利は何なのかと、あるいは国や地方自治体はどうすべきかという点でのやっぱり基本的な合意が法律という形でつくられてないところから、非常に細かくふくそうしたこの法案の中で振り回され、不安が深まっていると。そういう点で、やっぱりきちっとその辺を確認するということが大事だろうと。
 幸い、一九九六年でしたか、トルコのイスタンブールで開かれたハビタットUの住宅憲章の中で、日本政府も調印しているその中身で、私たちは早く日本の国民が安心して住めるというふうな基本法を定めていただいた上で、ここの具体的な起こっている問題をどう調整するかと。
 今、民間にという話が出ておりますが、例えば、ちょっと古い資料ですけれども、公営住宅の家賃が二、三万円だとすれば、五十平米で二万三千円、これは九八年の資料ですが、木造の民間借家では四十六平米で四万九千円、非木造、マンション等では三十九平米で六万七千円と、非常に明らかに狭くなって高くなっているのが民間の住宅なんですね。
 民間でできることは民間でということは基本としてはあり得る話ですが、低所得者に対してはやっぱりその辺の部分をどう、これが、公共が直接供給した住宅じゃなく、民間が建てた住宅でも、この辺のところについてどういう目安を立てるかということをやはり基本法の中等で明記してもらう、はっきりしていただくということで、いろんな民間産業の入り方、民間活力の利用の仕方というのが出てくるんですが、その辺があいまいのまま、民間でできることは民間でということの中で私たちの不安が一層深まっているというのが私の考えです。
○仁比聡平君 その中での今後の公共住宅の役割というものが一体どのようになるかということを多和田参考人にもう一度お考え聞かせていただければと思います。
○参考人(多和田栄治君) やはり基本的な住まいの安心、そしてもう一つは、公共住宅が果たしてきた役割は、これは金融公庫も若干そうですが、住宅の質を高めるということもかなりこれやっぱり公共的な役割は今まで高かったと。それから、まちづくりをきちっとしていくという点でも、民間にはできないやはり公共団地の良さというのがあります。
 そういう点で、その比率はどれぐらいかということはいろいろ検討の余地がありますが、やはりどんな西欧諸国に限らず、やはり公共的なベースになるものは何なのかという点を、今方々にありますが、現在ある公共住宅がこれから壊されていくのか、それとも充実させていくのかというふうなことが問われているわけですが、私はやはり、基本的に公営住宅法を中心にした現在の公営住宅の問題点を国会で審議していただいて、その上で様々な公的な賃貸住宅の在り方を御検討いただきたいと。
   〔理事佐藤雄平君退席、委員長着席〕
 私たちは本当に公営住宅に住んで良かったと、十分子育てもできたと、また防災のときにも非常に安心して住んでられるというふうな点で、私たちは公共住宅、特に公営住宅、公団住宅等の役割に対して高い信頼と安心を抱いているというところです。
○仁比聡平君 あと一分しかないんですが、先ほど、これからの希望的な姿として、公団がどれだけ地域のコミュニティーの中で喜ばれているか、役立っているかというお話がありました。どうして公団住宅がそういった役割を果たし得てきたのかも含めて、お話を伺いたいと思います。
○参考人(多和田栄治君) やはり公共ということと、もう一つは、まちづくりの段階から住民参加が多少なりとも大きくその可能性が広げられているということで、やはり借家ではありながら、我が町、我が住宅としての自治会活動等を中心にした供給する側と住まい手の責任ということの両方が、やはり公共住宅だからこそ公団住宅は、まあ今後の問題は別として、今までは大変国民にも喜ばれてきましたし、これからもそうあってほしいと思っています。

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仁比議員が「公営住宅2法案」で質疑


 6月9日、参院国土交通委員会で、仁比 聡平議員が「公営住宅2法案」で質問をしました。以下、質問全文です。
第162回国会 参議院議員国土交通委員会
第21号 平成17年6月9日 仁比聡平参議院議員
○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。
 政府は、今年から来年にかけて、これまで公営住宅、公団住宅、そして公庫融資という三本柱で進められてきた住宅政策の大転換を図るとされています。そこで、今日は、その大きな柱である公団住宅の賃貸住宅についてお伺いをしたいと思っています。
 まず大臣にお伺いをしたいのですが、この公団住宅が国民に良質な住宅を提供するのにこれまで大変重要な役割を果たしてきたということの意義についてどういうふうにお考えかということなんですね。
 独立行政法人都市再生機構法案が〇三年に審議をされ、決議をされたときに、附帯決議が上げられて付けられていますが、衆議院の附帯決議の中で一項、「住宅が国民生活を支える基本的な基盤であり、ゆとりある住宅に安心して住むことが生活の真の豊かさを確保する上で重要である」という認識を述べ、そして三項で、「既存の賃貸住宅団地について、居住者の居住の安定を図ることを政策目標として明確に定め、居住者との信頼関係を尊重し、十分な意思の疎通と連携の下に住宅や利便施設等の適切な維持管理を行い、快適な生活環境の確保に努めること。」と、こういうふうに述べています。大臣もこの決議と同じ御認識なのかという点が第一点です。
 あわせまして、この独立行政法人化をされていく経過の中では、公団を民営化するというふうな考え方も出ておりました。今朝から小泉内閣の民間でできることは民間でというこの方針が強調をされる委員もあったわけですが、今後、都市再生機構が、つまり都市再生機構によってこの公団住宅を維持するというこの方針は堅持をされるのかどうか、併せてお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(北側一雄君) まず最初の御質問、決議、全く私も同じ考え方を持っております。
 後半の御質問でございますが、民営化することは全く考えておりません。
 都市機構、昔の公団でございますが、七十七万戸、今ストックがあるわけでございます。昭和三十年以降に大都市地域の良質なファミリー賃貸住宅を供給しようということでこれまで供給をしてまいりまして、七十七万戸というふうになったわけでございます。これは、四大都市圏における全賃貸住宅ストックの七%、また公的賃貸住宅の中では四〇%を占めるというふうに、住宅政策上は極めて大きな役割を担っておるのがこの機構住宅であるというふうに考えております。
 そういう意味では、これは長年の間、四十年を掛けて形成をしてきた国民共有の貴重な財産でございまして、一方で、大都市圏を中心にまだまだ良質な賃貸住宅が不足をしている現状をかんがみれば、都市の居住環境整備とか、それから先ほど来御議論になっています少子化対策だとか高齢社会対策等の住宅政策に有効活用をすべきであるというふうに考えておりまして、今後とも機構が建て替え、またリニューアル等、良質な賃貸住宅としての適切な維持管理を行うこと、そして引き続き、先ほどの決議にもございました、居住者の方々の居住の安定、居住環境の向上を図っていく必要があるというふうに考えております。
○仁比聡平君 大臣の今のお言葉というのは大変重要だと思います。
 といいますのは、機構が公団住宅を公共住宅として団地の暮らしとコミュニティーを守り育てる立場に立って運営をしていらっしゃるのか、衆議院の附帯決議で求められているように、居住者が安心して住み続けることができるように十分配慮がされているのかどうかが大変大きな問題になっているからなんです。
 私も、入居者の方々から、家賃が高くなって本当に苦しいこと、あるいは修繕がなかなか進まないことなど、たくさんの要望を伺ってまいりました。一方で、今日も、三・三兆円だとか、利子だけで年に二千億円だとか、こんな大変な借金をこれから返していくと、これが住宅管理の圧迫要因にならないのかと、なっていくのじゃないかという強い不安があるわけです。
 そこで、機構に、まず賃貸住宅部門の収支について端的にお答えいただきたいと思いますが、平成十二年以降、機構の計算でも、この賃貸住宅部門は、これは黒字ですね。お答えください。
○参考人(河崎広二君) ただいま先生申されましたように、賃貸住宅部門として経理を区分するようになりましたのは平成九年度以降でございます。九年度から十一年度までは若干の赤字を計上するという状況でございましたが、その後、先ほどもちょっと触れましたけれども、経営改善努力、コストの削減だとかあるいは家賃収入の確保といったようなことで努力をいたしまして、平成十二年以降、十五年度までは黒字を計上しているということでございます。
○仁比聡平君 平成十五年度、〇三年度は四百七十一億円の黒字になっています。その区分管理後の平成九年以降、十一年までの間は、阪神・淡路の震災によってその崩壊をした財産についての特別の償却が行われていたという時期に当たるわけです。
 それでは次に、その中で家賃収入がどれだけ伸びているかについてお伺いをします。
 区分経理が始まりました後の平成九年、九七年からの数字で結構ですが、平成九年が幾らで〇三年、平成十五年は幾らか、お答えください。
○参考人(河崎広二君) 家賃収入でございますが、平成九年度におきましては約四千六百七億円でございました。以降、賃貸住宅の新規供給で……
○仁比聡平君 数字だけで結構です。
○参考人(河崎広二君) 管理戸数が増加をする……
○仁比聡平君 数字だけで結構です。
○参考人(河崎広二君) というふうな要因で毎年増加をいたしまして……
○仁比聡平君 質問時間ありませんから。
○参考人(河崎広二君) 平成十五年度においては、約五千三百九十九億円という数字になっております。
○仁比聡平君 尋ねたことだけお答えをいただきたいと思います。
 その数字を計算をしますと、この間に一・二倍になったことになるんですよ。九四年から〇三年までの十年間を見ますと、四千百四十五億円から五千三百九十九億円で一・三倍と。これは機構の資料に基づくものです。
 この機構、公団住宅の家賃について、平成十二年、〇〇年に近傍同種家賃が導入されたことは皆さん御存じのとおりですけれども、これに関連しまして、〇三年の国会で、当時の総裁がこんな趣旨の御答弁されています。家賃の値上げ分は居住者の生活環境の改善、向上のために使うのは当然のことであると。この考え方に変わりはないのかということを確認をさせてください。
 この点にかかわっては、先ほど御紹介をした衆議院の附帯決議では、賃貸住宅、既存の賃貸住宅について、「住宅や利便施設等の適切な維持管理を行い、快適な生活環境の確保に努めること。」という決議も付されているわけです。認識をお伺いします。
○参考人(河崎広二君) 機構賃貸住宅の修繕の実施に当たりましては、都市再生機構法審議時の総裁の答弁にあったとおり、安全、安心な居住環境を確保し、居住者の生活環境の改善、向上を図るため、適時適切にその管理を実施をするというふうに考えているところでございます。
 その中で、実はこれは機構法の参議院での附帯決議にもあるわけでございますが、私ども、居住者の方々の日ごろお気付きの点を十分把握した上でこうした管理を実施していく必要があるというふうに考えておりまして、住宅の修繕等の賃貸住宅管理業務に関しましても、定期的に居住者団体から意見をお聞きしております。また、特定のテーマに絞って居住者団体との間で連携研究会というやつを設置して意見交換をするといったような形で、意見をよく聞いた上で適切な管理に努めているところでございます。
○仁比聡平君 今お尋ねしなかったんですがおっしゃった、自治会あるいは自治協の皆さんとの協議、これは私、本当に大事なものだと思っていますので、後ほど時間があればお尋ねしたいと思いますけれども。
 私がお尋ねをしたのは、家賃の値上げ分について、これを居住者の生活環境の改善や向上のために使うのは当然のことだという趣旨の御答弁をされている、総裁が。これは今でも変わらないんですねという御確認です。
○参考人(河崎広二君) 家賃改定の財源の関係でございますが、平成十二年度に現在の市場家賃制度になる時点で、家賃改定の増収につきましては修繕費にできるだけ充てるというふうな考え方で来ておりまして、そのときに、新規修繕項目七項目というものを決めまして……
○仁比聡平君 どうしていろいろおっしゃるんですか。イエスかノーかで答えられるじゃないですか。
○参考人(河崎広二君) ということで、イエス、イエスといいますか、その七項目の約束につきましても予定どおり実現するように現在も努力をしておりまして、その考え方は引き続き継承していく必要があると考えているところでございます。
○仁比聡平君 そのときのお約束について、引き続き継承するという理解でいいですね。はい。もううなずかれていらっしゃいますから、結構です。そのとおりになるように強く求めたいわけです。
 ですが、現実には、これは衆議院でも、あるいは今日、同僚委員の中からも指摘がありましたけれども、例えば外壁の補修について十八年という基準年数があるのに、これを超えても何年たっても行われないと。あるいは部屋のサッシがいまだに鋼鉄製のものがある。こういう事態が現実にあるわけです。
 それで、住宅局にお伺いをしたいんですが、この修繕が、これからニュータウン事業などが、宅地造成等経過業務勘定、これ分けて借金を返済していくという中で、圧迫を受けないというこれお約束をいただきたいわけですね。
 先ほどこの区分管理と勘定を分けるという件について山本理事から御質問があって、御答弁をされていますけれども、その中で、「都市再生業務の運営に支障のない範囲内」というこの法案の用語があります。この都市再生業務の中には、賃貸住宅事業とともに市街地整備事業が含まれています。この市街地整備事業は、これ自体が、例えば再開発事業だとかあるいは区画整理事業だとかかかわっていて、区画整理法の関連の質疑でも申し上げたことがありますが、なかなか見通しが立たない部分も、見通しが立たないところもあるのではないかと思います。ですから、この事業が赤字を生んでいくという可能性は否定はできないと、今の時点で。ならば、その市街地整備事業との関連でも、賃貸住宅事業の運営に支障がない範囲内でちゃんと運営をされるのか。この法案はどう理解したらいいのか、お答えください。
○政府参考人(山本繁太郎君) 今御指摘ありました、一般勘定に利益が生じた場合において、その利益の額を上限として特別勘定に繰り入れることができるとしておりますけれども、その繰り入れる額は、国土交通大臣が一般業務に支障のない範囲として承認する金額でなければならないと。
 この一般業務は、おっしゃるとおり、都市再生機構の本来の仕事であります都市再生業務と賃貸住宅の管理業務でございます。賃貸住宅の管理業務、的確な維持修繕とか居住環境の維持のために必要な仕事に支障があっちゃいかぬという意味でございます。
○仁比聡平君 つまり市街地整備事業、それから賃貸住宅事業、それぞれの業務、つまり賃貸住宅事業に支障がないようにという趣旨と理解していいということですね。うなずいていらっしゃいますから、そのようです。
 機構は、そのような仕組みの下で是非とも必要な改修について十分予算を確保をして、実際の入居者の皆さんとの関係でいえば皆さんは大家さんで、大家さんに修繕する義務があるというのはこれ当然の法律上の義務なわけですから、この責任をしっかり果たしていかれることを強く求めて、この具体的な問題については別の機会に議論をさせていただきたいと思います。
 次に、この管理にかかわってもう一点数字を伺います。これは機構賃貸住宅の入居状況についてなんですが、この点について度々私の方で数字を出してくださいということを求めて、昨日夜遅くになってようやく資料が出されました。管理戸数が平成十七年、今年の三月末の時点で七十六万六千九百五十二戸あります。このうち、機構が空き家としているのは何戸で何%なのか、そしてそれ以外に現実に入居をしていらっしゃらない戸数、これが一体何戸あるのか、お答えください。
○参考人(河崎広二君) いわゆる募集あっせん中ということで、空き家、広い意味での空き家の戸数でございます。その中には、やや長い期間たってもまだ入居者がいないというやつが一部あるわけでございますが、大部分は入退居の過程で生じる空き家の戸数でございますが、それは約二万四千七百戸で、管理戸数に占める割合は三・二%でございます。
 それから、私ども、昭和三十年から非常に長期にわたって七十七万戸の住宅、今の管理戸数は七十七万戸ということでございますが、そういうことで建て替え事業とかあるいはまとまったリニューアルの事業というものをやる、あるいは高優賃も一部実施をするというようなことで、そういった事業をやる際に一定期間入居者の募集を停止している住宅がございます。これが約三万七千戸でございまして、これの割合は、管理戸数に占める割合は四・八%ということでございます。
○仁比聡平君 大臣もあるいは傍聴されている皆さんも初めて聞かれる数字だと思いますから正確に申し上げますと、今機構がおっしゃった募集あっせん中という戸数が二万四千六百五十八戸、で、このうちリフォームも済んで市場に供給されている空き家というのが四千九百七十九戸なんですね。これが〇・六%で、この法案審議の前提として委員会の先生方もごらんになってきた数字、つまり空き家率〇・六%と、この数字というのはこの四千九百七十九戸の話なんですよ。で、これ以外に一万九千六百七十九戸、この募集すると言いながら、だけれども補修などがなされてないという部屋があって、そのほかにさらに、今お話のあったように、建て替え事業等との関連で募集停止中の戸数が三万七千二十七戸あると。これ、現実に空いている数というのは、公団、機構が空き家ですと言っている〇・六%以外に七・四%あるんですね。これをどういうふうに見るのか。私、本当に大事な問題だと思うんですよ。
 それで、三十年代の建て替えの問題で補充停止されているとおっしゃるんですが、建て替え事業が始まったのは昭和六十二年、八七年のことというふうにお伺いをしました。これは、実際に地元への説明、入居者への説明を始める、建て替え着手団地決定とおっしゃるそうですけれども、これがなされていないものも多く含まれていて、つまり近い将来建て替え事業に着手する予定だということであれば、これは募集停止が掛けられるわけですね。
 その結果どんなふうになっているかといいますと、私、地元、北九州ですが、ある団地では平成十年から補充停止が掛けられて、つまり七年、七年目になります。結果、空き家率、空き家が三割を超えて本当にもう寂しくなっているんですよ。で、住環境も悪くなりますし、自治会長さんは、昨年一年の間に本当に寂しいことですけれども七回も葬儀に参列をしなければならなかったというふうにおっしゃっていました。高齢化が進んでいますけれども、この団地も今なお実際の着手決定というのはないんですね。
 多摩の自治会の皆さんが調べられた昨年九月の数字がありますけれども、二十八団地で平均で六・二五%が空いている。一番多い団地では二六・八%空いている。これが一体どういうことなのかと。現実に住んでいらっしゃる方々からは、戻り入居の数を減らして建て替え団地を小さくするとか、あるいは統合してしまうとか、そういうやり方なんじゃないのかと、居住者を追い出すのが建て替え事業なんでしょうかと、こういう強い疑問とそれから不安が指摘をされているわけです。
 一方で、同じ三十年代団地でも募集停止が掛けられていない団地があります。私の北九州の団地では、ここは空いたら本当に高い倍率ですぐ埋まってしまうんですよ。
 そこで、大臣にお伺いをしたいんですが、今聞かれた数字はもちろん初めて聞かれたかと思うんですけれども、こういう事態を、こういう実態をどんなふうにお感じになられるか。
 これ、今年からの住宅政策の大転換の大きな柱は既存ストックの活用だと、今日も繰り返しお話がありました。私は、このストックの活用というのは、必要な方々に安心して入居できる住まい、住み続けられる住まいであってこそストックなんであって、とりわけ不安定雇用が激増して若者たちも就職難だと。その中で少子化の問題あるいは子育て支援が本当に大事になっているという、こういう状況の中で余りにももったいないことじゃないでしょうか。社会的損失ですし、そして入居をされれば収益も上がります。若い世代の皆さんが入ってこられれば、団地の世代間のバランスも取れたコミュニティーもちゃんと育っていくわけですね。
 こういうストックの活用について、大臣の思いを聞かしていただきたいと思います。いや、大臣にお伺いします。
○国務大臣(北側一雄君) 後でいたします。
○参考人(河崎広二君) ちょっと事実関係だけ。
 空き家の実態について、私ども、今まで三か月以上空き家というのが非常に問題の空き家であるということで、そういうものを公表しておったわけでございます。
 実は、空き家といいますか、空いている状態の住宅というのは三つの種類がありまして、一つは、今御指摘にありました建て替えとかリニューアルのために、例えば建て替えのために、そこにずうっと住んでおられたいという方もおられるし、ある一定期間住めばほかのところに移りたいという方もいらっしゃるものですから、できるだけそういう移りたい方のために補充停止期間というものを置いて、ある程度空き家が空いた段階で戻り入居者の人をある程度確定した上で……
○仁比聡平君 七年も八年も空けているじゃないですか。
○参考人(河崎広二君) 建て替えに着手をするという形で、まあ七年というのはちょっと長い方でございますが、全体がそういうことではないということでございます。それから、そういうことで、できるだけそれは効率的に、余り長い期間ということでないように我々も努力しなきゃならないということはそのとおりだろうというふうに私ども考えております。
 それから、三か月以上空き家以外のいわゆる総空き家というやつですけれども、これは、入居者の方が退去して、それから新しい人がそこの住宅に入ってくるまでの間に、例えば空き家修繕というのをやる、それからその入居の手続をやるという形で、入退居の過程でどうしても必然的に起こる空き家でございます。それが、先ほど言った、三か月以上空き家にプラスして二万数千戸と言った数字でございます。
 したがって、我々はなぜその三か月以上を問題にしているかといいますと、三か月以上空き家が増えるということは、我々は、市場において非常に厳しい評価を受けているというふうに認識をしておりますので、それについて国民の皆様にも説明をして、我々として経営努力をしなきゃならないというふうなことで……
○仁比聡平君 昨日まで数字も明らかにしなかったでしょう。
○参考人(河崎広二君) 御説明をさせていただいているわけでございます。
○国務大臣(北側一雄君) これは、民間でも空き家率を極力小さくするというのはこれは当然の話だと思います。ですから、合理的な理由がある場合は別といたしまして、先ほども申し上げましたように、この機構の住宅というのは国民共有の財産、貴重な財産でございますので、それを有効に、できるだけ有効に活用するというのは当然のことであると思っております。
○仁比聡平君 そういう空き家が起こる一つの理由として、高い家賃の問題があるんですよ。時間がありませんから、紹介して大臣の思いをお聞かせいただきたいと思うんですけれども。
 例えば、新しいファミリー向け団地として建て替えをされた十五万円から十八万円ぐらいする三LDKで、そういう団地に子育て世帯がいったん入居をしてきても、家賃が高くて住み続けられないために一年から二年で出ていってしまうというような実態があります。
 あるいは、七十四歳のお年寄りで、三十年間その団地に住み続けてこられて、戻り入居の際には息子さんが一緒に家計を支えていただいていて特別措置が受けられなかったそうです。だけれども、息子さんが結婚をされて、本当に幸せなことなんですが、だけれども家計の負担ができなくなったために、その家賃が払えなくて狭い二DKに住み替えた。それでも十二万円掛かる。この十二万円の減額措置はとられないんですね。それが払い切れないでやむなく引っ越しをせざるを得なくなった。
 先ほど同僚委員の質疑の中で新制度の遡及ができないのかというお話ありましたけれども、これ先ほど局長は、公営住宅を含めて考えるんだという趣旨の答弁をされました。ですが、実際にお年寄りは、特別措置の適用を受けているお年寄りも、ここには十年間しか住めないと、自分の命がそれまでに終わればいいが、こんなことを日常の会話の中で語り合っていらっしゃるというわけですから、ストックは足りたというふうに言いながら、こんなことを政府として放置をできるのかと、私は率直に思うわけです。大臣の御認識を是非聞かせてください。
○国務大臣(北側一雄君) この家賃の問題につきましては、建て替え時等々これまでも様々な制度をつくってきたことも御承知かというふうに思っております。
 いずれにしましても、居住の、現在入っていらっしゃる、特に高齢者の場合なんか本当にそうだと思います、居住の安定に極力資するようにしなければならない。ただ、一方でまた多くの方々の入居ニーズがある。そうすると、そこでやっぱり公平性というものもきちんと確保しないといけないという側面もあります。それをしっかりバランスを取りながら居住の安定に資していくということが大切だというふうに考えております。